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こんにちは!赤ぎ塾の信田です♪
★ 直接海外で仕入れる輸入ビジネス(古着屋、雑貨屋、家具屋、アクセサリー屋、並行輸入など)の始め方講座のアジア買い付け編です!
バンコクでの軟禁体験!
今回はボクが体験したバンコクでの3時間に及ぶ軟禁事件?についてお話したいと思います。
バンコクは比較的安全な街です。特にアメリカで生活したことのあるボクにとって、強盗まではあるかもしれないけど、殺人まではなかなか起こらないだろうと思っていた街です。
女性に関してはもっと危険度は上がると思いますが、ボクは男性だし、身なりも「子汚い古着のバイヤー笑」だし、ターゲットにはあまりされないのではないかと高をくくっていました。
そのときボクが泊まっていたのは日系の有名ホテルでした。そこは大通りに面したホテルではなく、大通りから一本「ソイ」(小道)に入って2~3分歩いて着いたような記憶があります。
ということは日本人のお客さんが多く利用していたホテルということになります。「ソイ」には多くのお店が軒を連ねていました。多くは日本人観光客をターゲットにしていました。
ソイから大通りに出るとすぐBTSのステーションがありました。ボクは買い付けの間は毎日そのソイを抜け大通りに出てBTSやタクシーを使って買い付けに出かけていました。
しかし朝だろうが夜だろうがそのソイを通るときは周りの店からの激しい客引きを通り過ぎなければならないのが、少し面倒でした。
しかも、大通りに向かって右側にあるアラブ系の人がやっているお店の客引きのお兄ちゃんは超ハイテンションでなかなか前に行かせてくれないので、なるべく目を合わさず通ろうと努力していました。
ある晩、ボクはバンコクに住んでいる友人と屋台でかなり飲んで上機嫌でBTSを降りました。気分が良かったというのもあって、その日の営業を終えた店がぽつぽつ並ぶソイを上機嫌で通っていました。
すると「Hi! How are you!」とテンションの超高いアラブ兄ちゃんが声を掛けてきて握手を求めてきました。いつものようにはち切れんばかりの笑顔でした。
上機嫌なボクは「Hi!」と答えてその差し出した手に握手を返してしまったのです、、、。
そこは当然、アラブ兄ちゃんの店の前でした。
アラブ兄ちゃんは笑顔のままボクの手を店の方に引っ張ります。
酔っているボクは、引っ張り返してアラブ兄ちゃんを店から遠ざけてやろうと力を込めました。体格でいうとボクの方が圧倒的に有利です。アラブ兄ちゃんはボクより少し背が低くやせ形でした。
ボクは昔から格闘技などもやっていて体力や力には自信がありました。グッと力を入れて引っ張るとアラブ兄ちゃんは少しこっちによってきました。
ボクは余裕の笑顔をフフ~ン♪と見せてやろうとアラブ兄ちゃんの顔を見ました。しかし、そこで見たモノは、本気の大人の男が全身の力を込めて踏ん張っている表情でした!
「ん?」引っ張り合って遊んでいるつもりだったボクはここで少し嫌な雰囲気がしてきました。アラブ兄ちゃんはすでに綱引きのプロの人がするように、背中を地面すれすれまで傾けて全体重でボクを引っ張っています。しかもすごい鼻息です!
「何を!」と思って全力で引っ張り返し始めましたが、アラブ兄ちゃんは全く動じることなくジリジリとボクを店の方まで寄せていきました。
ドアの敷居のあたりで踏ん張ったんですが、アラブ兄ちゃんの必死の「引き」に負けて、最後には「おっとっと、、。」と転がるように店内に入ってしまいました。
「いててて、、。」と立ち上がろうとすると、「バンッ!ガチャガチャ、ガチャン!」と背後でアラブ兄ちゃんがドアをロックしている音が聞こえました、、、。
「、、え!?閉められた!?」
アラブ兄ちゃんはドアの前で仁王立ちをして、「通さん!」という意思表示をしています。
すると背後から「Hi. How are you?」という野太い声が聞こえました。
振り返ると、身長ははるかに180cmを超してでっぷりとしたヒゲの大男がレジ台の向こうに立っていました。
頭にはターバンを巻いて深い紫色の服(よくアラブの人が着ている単色のロングコートみたいな長さの服)を着ていました。ヒゲ面のマツコデラックスって感じの巨体です。
まさしく「ボス」って感じでした。
店内に閉じ込められて、前には巨大な「ボス」、、、。これから何か武器が出てきて身ぐるみ剥がされるんだろうか、、、。
恐怖がボクの頭をよぎります。しかしかなり酔っていたこともあり、恐怖の部分と「のほほん」とした部分が共存している変な精神状態でした。
「ボス」は店内の商品を手に取りたどたどしい英語で説明を始めました。
「これは最新モデルのグッチのショルダーバッグ。最新のモデルはどこにも売ってない。ここだけ。いくつ欲しい?たくさん買ったら安くする。」
ボク「旅行で来たわけじゃないからいらない。」
ボス「日本人だろ?日本人みんなグッチ好き。みんなたくさんグッチ買っていくぞ。おまえ日本だろ?」
ボク「いや、日本人やけどね、観光で来てるわけじゃないから、買わない!」
この時点でその店は「ぱちもん」(フェイク)の店だと分かりました。「ぱちもん」かどうか聞くと相手の機嫌が悪くなったらどうしようと思いましたが、思い切って、
「これぱちもんやん。ぱちもんは買わないよ。旅行できてるんじゃないし。」
ボス「ホンモノ高い。ここのフェイクのクオリティは最高!フェイクは安くていいクオリティ!」
ボス「お前、グッチは嫌いか?こっちにルイヴィトンもあるぞ。これは去年のモデルで、、、、、、、、、。」
ボク「何回も言うけど、仕事で来てるから。古着の買い付けで来てるから。余分なもの買うお金はないし。」
ボス「買い付けか。いいのあるぞ。日本に買って帰ったら絶対売れる!」
ボク「いや、そう言うんじゃなくて、、、。」
と、すったもんだしながら、店内にある全ての商品の説明と「お前、これは買うだろう。」「いや、いらん。」というやりとりが終わった時には、軟禁状態になってから何と1時間半ほどが経過していました。
ボクは割と強気で断っていましたが、何かしらの武器が出てきた時点であっさりお金を出そうと決めていました。
会話の内容と彼らの表情から伺うと、ボクを傷つけることが目的じゃなくて、なんせ商品を売りたい、お金が欲しい、ということのように思えました。
店内全ての商品の熱いセールスが終わったので、ボクはそろそろ解放されるのでは、と期待しました。
するとボスは、
「う~ん、お前ホンマにいらんのやな。でもこっちの商品を見たら欲しくなるだろう。」
とレジの裏から紐が垂れ下がっているのを引っ張り、天井から古い木の階段が降りてきました、、、。「ギギギィィィ。」
「やばい!屋根裏に連れて行かれる!!」
と思った時にはアラブ兄ちゃんがボクの背中を押して、「ミシッ、、、ミシッ、、、」と歩くたびにきしむ階段を登らされました。
目の前には真っ暗の部屋が、、、。
ボクは恐怖で焦りながら、「人ってこういうところで殺されるよね、、、。」と考えていました。屋根裏部屋に上って、アラブ兄ちゃんが電気をつけると、そこには店内の商品のストックルームでした。
またボスがやってきて端から、「これは欲しいだろ?エルメスの今年のデザインだ。この辺で売ってるところはウチだけ。しかも最高ランクのフェイクだから税関でバレることもない。数買ったら安くするよ。」
と、すべての商品に長いセールストークを付けて、ボクが拒否する度に、
「なんで買わない!?日本人みんな買う!なぜお前買わない!?」
と驚いてきます。
ボクももう数十回、旅行者じゃないこと、買い付けで来ているから余分なお金は使わないこと、フェイク品は買わないこと、ウチの嫁さんもフェイク品が好きじゃないこと、もう帰りたいこと、を告げましたがまったく聞き入れてもらえません。
そこからさらに1時間半以上の時間が、熱いセールストークと共に過ぎていきました。
屋根裏部屋でのすべての商品の説明を聞きました。下の商品とカブっている商品もたくさんありましたが、初めて説明するようなテンションで商品の良さをアピールされました。
全てが終わって「じゃあ、どれが欲しい?」と聞かれたので、「どれもいらない。」と答えました。
しぶしぶ、アラブ兄ちゃんはボクの背中を押して下の階に降ろしました。
ボクは「もしかしたら、もう一回初めから店内の商品を見せられるんちゃうんだろな?」とビビっていたら、ボスが真面目な顔でため息をつきながらこう言いました。
「お前、ホンマに買わんのやな、、、日本人がウチの店来たらみんないっぱい買うぞ?、、、。」
ボクは「何度も何度も言うたけど、俺は買い付けで来てるから無駄な出費はせんし、もともとフェイクは買わん!なんで分かってくれんの?」と少し怒り気味で言ってやりました。
ボスは「じゃあ、もういいよ、、、。」と言って奥に入っていきました。アラブ兄ちゃんがドアの施錠を解いてドアを開けてくれました。
「BYE…」アラブ兄ちゃんも疲れを見せていましたが、ボクの方こそヘトヘトでした。
何事も無くて良かったですが、あんなことされたら普通の日本人観光客はビビッてたくさん買ってしまうでしょう。
海外ではいらないものはいらないとはっきり言う勇気を持ってください。でないといくらでもモノを買わされますからね。
翌日、朝から買い付けだったので、BTSに乗るためにまた「ソイ」を歩きました、向こうにぶらぶらしてるあのアラブ兄ちゃんを見つけました。なんか気まずい、、、。
アラブ兄ちゃんはボクを見つけると遠くから「Hey! How are you?」と元気に大きな声であいさつしてきました。
ボクもちょっと避けながら、「ハイ!」と控えめに答えました、、、。笑
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